お酒の解説 日本酒とは?清酒・日本酒の定義や種類・分類について解説 2023/07/12
そもそも日本酒とはどういうお酒なのでしょうか。
日本酒には専門用語が多いため、難しく感じてしまいがちですよね。
本記事では、日本酒の定義や種類、他のお酒との違いなど、日本酒のキホンについて、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。(※2024年2月1日追記)
目次
酒類について
日本酒について知る前に、まずはお酒そのものの定義や種類を見ていきましょう。
酒類の定義
酒税法における酒類とは、アルコール度数1%以上の飲料のこと。
飲用目的でないものや医薬品などは除かれます。
アルコールを含んでいても、度数が1%未満の微量なものは「ノンアルコール飲料」となります。
ノンアルコール飲料として販売されていても、アルコール度数0%とは限らないので注意が必要です。
酒類の分類
酒税法において、酒類は製法によって大きく「発泡性酒・醸造酒・蒸留酒・混成酒」の4種類に分類され、そこからさらに17品目に区分されています。
清酒はそのうちの醸造酒に分類されています。
清酒について
上記のように、酒類は酒税法によって定義されていることがわかりました。
次は「清酒」について詳しく見ていきましょう。
清酒の定義
「清酒」は酒類の4分類のうちの醸造酒に分類され、以下のように定義されています。
三 「清酒」とは、左に掲げる酒類をいう。
酒税法(昭和二八・二・二八法律第六号)(抄) 国税庁HP
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
つまり「清酒」と名乗るには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 米・米こうじ・水を原料として使っていること
- 漉している(搾りを行なっている)こと
- 醸造アルコール、糖類、調味料などの添加物の合計が、米(こうじ米含む)の重量の50%を超えていないこと
- アルコール度数が22%未満であること
日本酒について
酒類や清酒についてはわかりましたが、まだ一度も「日本酒」ということばが出てきていませんね。
それではようやく、日本酒とは何なのかの説明に入っていきましょう。
日本酒とは?
「日本酒」とは、原料の米に国内産米のみを使い、かつ、日本国内で製造された清酒のみが、独占的に名乗ることができる呼称です。
これは地理的表示制度によって取り決められており、外国産の米を使用して造られた清酒や、日本国外で製造された清酒は「日本酒」や「Japanese Sake」を使うことはできません。
日本酒の条件
- 米および米こうじに日本国産米のみを使用していること
- 日本国内で製造されていること
地理的表示制度とは?
地理的表示制度とは、酒類や農産品において、産地名・地域ブランドを守るための制度です。
酒類については「酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律」基づく「酒類の地理的表示に関する表示基準」により、国税庁長官が指定することになっています。
「日本酒」は2015年12月に国レベルの地理的表示として指定されました。
つまり、シャンパンやスコッチ・ウイスキーなどと同じように、「日本酒」とは「清酒」のなかの一部を表すブランドと言えます。
清酒/日本酒の種類
さて、ここまで「清酒/日本酒とは何か」について解説してきましたが、そのなかにもより細かな分類があります。
清酒は、まず法律上の分類として、大きく「特定名称酒」と「普通酒」に分類されます。
特定名称酒はさらに、その造り方や原料などによって以下の8種類に分類されます。
- 純米大吟醸酒
- 純米吟醸酒
- 特別純米酒
- 純米酒
- 大吟醸酒
- 吟醸酒
- 特別本醸造酒
- 本醸造酒
特定名称酒の要件
日本酒とは?
特定名称酒とは、原料や精米歩合などの要件を満たす日本酒に「特定の名称」が与えられているものです
原料
特定名称酒は、米、米麹、水、醸造アルコールを原料としています。
米、米麹、水のみで造られる日本酒は「純米系」に分類されます。
米、米麹、水に醸造アルコールを加えて造られる日本酒が「本醸造系」に分類されます。
醸造アルコールとは、主にサトウキビを原料として発酵させ、蒸留した純度の高いアルコールのことです。
醸造アルコールを入れることで飲み口がスッキリとクリアになり、日本酒の香りや味わいに変化をつけられます。
醸造アルコールの量は吟醸酒・本醸造酒ともに原料となる米の重量10%以下と決められています。
一方で純米系は、醸造アルコールが一切添加されておらずお米だけで造られている分、米本来の旨味やコクを存分に
堪能できるのが特徴です。原料や精米歩合、製造方法の違いによって種類ごとの特徴を楽しめるのは日本酒の魅力です。
精米歩合
精米とは、お米の外層部にある糠や胚芽を取り除く作業です。
わたしたちが普段食べているお米も精米されていますが、通常、酒米は食用米よりも多く表層部分が削られています。表層部に多く含まれるタンパク質、脂質いった成分を取り除くことで、お酒の着色や酒質の劣化を防ぐことができ、雑味のないすっきりとした日本酒となるのです。
日本酒はこの精米歩合によって「純米系」と「本醸造系」が細かく分類されます。
精米歩合60%以下は「吟醸酒」、50%以下は「大吟醸酒」と名乗ることができます。
「精米歩合60%以下、または特別な製造方法」で造られる「特別純米酒」や「特別本醸造酒」もあります。
精米に関する詳細はこちら:https://sakazuky.com/contents/commentary/polishing/
香味などの要件
日本酒はお米の香りだけではなく、りんごやメロンのようなフルーティーな香りがするものもあります。
この香りは香味などは一切に使ってなく、日本酒を造る発酵過程での酵母の働きによるものです。
米に含まれる糖分をアルコール発酵させる役割をもつのが、酵母です。
この酵母には「香り成分を生み出す作用」があり、排出されるアルコールと炭酸ガスに、
フルーティな香りの元となる香気成分が含まれています。
特定名称酒の規定では精米歩合で吟醸や大吟醸と分けていますが、酒蔵ごとに「吟醸香」というのを
追求しています。よく精米した米を長時間低温で発酵させることで、特有の香りとなる「吟醸香」を
発生させています。日本酒は規定されていない酒蔵独自の吟醸香を楽しめるのみ魅力の一つです。
純米酒、吟醸酒、本醸造酒それぞれの特徴
特定名称酒は大きく「純米系」「本醸造系」の2つのグループに分けられます。
純米系と本醸造系の違いを答えられる方は、きっと日本酒好きな方でしょう。
まずはこの2種の味わいの違いを覚えておくと、飲みたい種類を見つけやすくなります。
純米系
純米酒は米、米麹、水だけで造られた日本酒です。
純米系と本醸造系の違いを一言で言うと、醸造アルコールが含まれているかいないかです。
純米系は米だけで造っているからこそ、米本来の旨味や甘味を感じられ、ふくよかなお米の香りが楽しめます。
炊きたてのご飯を想像してみてください。おいしいお米は、甘みや旨味が凝縮されているのを感じられると
思います。純米系は、この炊きたてのご飯と同じように、米のおいしさを引き出している日本酒なのです。
sakazuky STOREおすすめの純米系
1.GOZENSHU9(NINE)レギュラーボトル
日本最古の製法「菩提もと」づくりを採用。
さまざまな清酒製法の起源といわれるのが「菩提もと」づくりです。その特徴は、米を入れた水に天然の乳酸菌を発生させてつくる「そやし水」。この水を「もと」づくりのはじめに加えることで、雑菌を抑えながらアルコール発酵を促せるため、夏場でも安全・キレイなお酒が造れます。「9(NINE)」は、全国的に珍しい製法で清酒のルーツに挑み、かつてない洗練と革新を続けます。
商品概要
商品リンク:https://sakazuky.com/prefarea/chugoku-shikoku/tsujihonten/gozenshu9-regular/
2.廣喜 純米 磨き七割
オールマイティとも言える万能食中酒。
紫波酒造を代表する銘柄『廣喜』から、毎日の晩酌にオススメの辛口純米酒。
平成29年の造りを期に本醸造から移行した、岩手県産米で醸した純米酒です。
軽やかに何杯でも呑み続けられる、晩酌にもってこいのお酒です。お燗として温めるとより楽しめます。
商品概要
商品リンク:https://sakazuky.com/prefarea/hokkaido-tohoku/shiwasyuzo/hiroki-junmai-migaki7/
本醸造系
本醸造系の日本酒は、米、米麹、水に加えて、醸造アルコールが使用される製法で造られます。
そのため、純米系と比較して、醸造アルコールによる特有の風味や品質の安定性が加わります。
一般的に、本醸造系の日本酒はよりスッキリとした口当たりやキレのある味わいが特徴であり、
酸味や苦味が少ない傾向にあります。純米系が米の持つ旨味や甘味を引き立てるのに対し、
本醸造系は醸造アルコールの効果により、さっぱりとした味わいが楽しめます。
したがって、純米系が米の旨味を強調する一方で、本醸造系は飲みやすい清涼感を追求しています。
どちらの系統も、日本酒の多様な魅力を楽しむことができますが、
それぞれの特徴によって異なる味わいが楽しめる点が魅力です。
sakazuky STOREおすすめの本醸造系
1.久寿玉 本醸造生酒
一切の火入れをしない本当の生酒。
フレッシュな味と香りをお楽しみください。
すっきりとしたのど越しは、食中酒に最適です。
どんな料理に合わせても美味しくいただける、ついつい飲み過ぎてしまう素敵なお酒です。
商品概要
商品リンク:https://sakazuky.com/prefarea/tokai/hiraseshuzoten/kusudamahonjouzonama/
2.宝山 本醸造 原酒
「冷酒」のレベルを超えた、氷で楽しむ蔵出し原酒。
20%近いアルコール度数の本醸造の原酒は呑みごたえバツグンの為、氷を浮かべたロックでの呑み方をオススメしています。ロックにする事で最初はガツンと、徐々にまろやかになる表情の変化をお楽しみください。
商品概要
商品リンク:https://sakazuky.com/prefarea/koushinetsu-hokuriku/takarayama/takarayama-genshu/
上記以外にも法律上の分類ではないものの、造り方による違いにより独自の名称がついているお酒もあります。「にごり酒」や「貴醸酒」などです。よく目や耳にすることも多いと思います。
また、清酒ではないものの、よく混同されがちな「どぶろく」などもあります。
各記事では、それぞれのお酒についての定義・条件や、味わいなどを、おすすめの商品などを交えながらご紹介しています。日本酒についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ各お酒の記事もチェックしてみてください。
※こちらの記事もご参照ください。
まとめ
さて、本記事では、清酒や日本酒についての定義や違いなど、日本酒の基礎となる知識をご紹介いたしました。理解は深まりましたでしょうか。
どういうお酒なのかを調べてみると世界が広がり、飲むときにもまた違った見方で楽しめるのではないかと思います。