お酒の解説 原酒 2023/10/31
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
原酒 とは?
原酒とは、割水(加水)をしていないお酒のこと。
一般的に流通している日本酒は、アルコール度数を調整し、飲みやすく理想の味わいにするために、仕込み水が加えられています。この工程を割水(わりみず)、または加水(かすい)と言います。
原酒は、この仕込み水を加える工程を行わず、造ったお酒を原液のまま出荷したものを言います。
割水の工程についてはこちら
原酒の特徴
アルコール度数が高く、飲みごたえがある
原酒は水で薄められておらず、お酒の原液そのものなので、アルコール度数が高いです。
一般的な日本酒のアルコール度数はだいたい15度前後。
一方の原酒はアルコール度数が18度前後から、なかには20度を超えるものも。
アルコール度数が高いぶん、ガツンとくる力強さがあり、飲みごたえがあるのが特徴です。
なお、日本酒(清酒)は酒税法で、「アルコール度数が22度未満のもの」と定められています。
そのため、割水をせず、アルコール度数が22度を超えてしまう場合には、同じ原料や製造方法で造られていても「雑酒」や「リキュール」に分類されます。
このアルコール度数による定義が定められた2006年の酒税法改正前に「日本一アルコール度数の高い日本酒」として知られていた玉川酒造の『越後武士(えちごさむらい)』は、なんとアルコール度数46度!(現状はリキュール扱いとなっています。)
味わいが濃い
割水を行わない原酒は、香りや味わいもぎゅっと凝縮されています。
お酒そのものの香りや甘味・旨味をたっぷりと濃厚に感じることができるのも、原酒ならではの特徴です。
原酒の楽しみかた
原酒の力強く濃厚な味わいを楽しむためには、ぜひストレートで飲んでみてほしいところですが、飲み方でバリエーションを広げられるのも原酒の魅力のひとつ。お酒があまり強くない方でも、自分なりのアレンジできっと楽しんでいただけるものと思います!
ロック
まずおすすめしたいのは、冷たい氷を入れてのむロックスタイル。
日本酒は風味が繊細なお酒なので、天然水などで作った雑味の少ない大きめの氷を使うことをおすすめします。
レモンやライムなど柑橘系の果汁を加えるとまたさっぱりとした味わいになりますよ。
水割り
原酒に水を加えたシンプルな方法です。
アルコール度数の高い状態では感じにくかった香りが、より感じやすくなります。
原酒のアルコール度数に応じて、飲みやすい割合でOK。
目安としては、原酒と水が8:2の分量で割るのがおすすめです。
日本酒は軟水で造られることが多いため、割る水も軟水をチョイスすると、優しい口当たりになります。
お湯割り
肌寒い日には、お湯割りもおすすめ。
水割りよりもお酒の風味を感じやすくなり、口に含んだ時の旨みの広がりを感じられます。
分量は水割りと同じく、原酒:水=8:2を目安に。温度は50度くらいがおすすめです。
カクテル
濃厚な風味の原酒は、カクテルベースとしても使えます。
ソーダやお茶、グレープフルーツジュースなど好きな割りものでアレンジに挑戦してみてはいかがでしょうか。
まとめ・復習
- 原酒とは、割水(加水)をしていないお酒のこと
- アルコール度数が高く、力強さと濃厚な風味が特徴
- アルコール度数が高い分、ロック・水割り・お湯割り・カクテルなどアレンジを楽しみやすい