お酒の解説 生酒 2023/10/24
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
生酒 とは?
生酒 (なまざけ・なましゅ)とは、火入れをしていないお酒のこと。
火入れと呼ばれる加熱処理を一切行わず、生の状態で出荷されるお酒です。
火入れとは?
ここで一度、火入れについておさらいしておきましょう。
一般的な日本酒は、火入れという加熱処理を「貯蔵前」と「出荷前」の2回のタイミングで実施しています。
搾ったままの日本酒は生きていて、そのままでは発酵が進んでいくため、瓶に詰めてもお酒の味が変わっていきます。そのため火入れをして発酵を止め、お酒の味わい・品質をキープするのです。
※参考
火入れ有無・タイミングによる名称の違い
日本酒は、火入れの回数やタイミングによって呼び方が異なります。
同じ「生」とつくお酒でも、「生酒」が火入れを一切していないのに対し、「生貯蔵酒」と「生詰め酒」は1度火入れされています。
一般的な日本酒の火入れ回数が2回なので、それと比較しての生なんですね。
- 生酒(なまざけ):1度も火入れをしていないお酒
- 生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ):出荷前に1度のみ火入れをしたお酒
- 生詰め酒(なまづめしゅ):貯蔵前に1度のみ火入れをしたお酒
図にすると以下のようになります。
生酒 の味わい
生酒は、フレッシュな味わいとシュワシュワとした微発泡による爽やかさ・清涼感が魅力のお酒です。
火入れを全く行っていないため、搾りたてのフレッシュな味わいを楽しむことができます。
また、しゅわしゅわ・ぴちぴちとした微発泡を感じられるのも生酒ならではの特徴です。この微発泡感はよく「ガス感」と表現されたりもします。
この炭酸ガスは、酵母菌のはたらきによって生まれるものです。
発酵の際、酵母菌のはたらきによって、糖が分解され、アルコールが生成されます。実はこのときに、アルコールと一緒に炭酸ガスも生成されているのです。
生酒では、搾ったままのお酒なので、お酒のなかに溶け込んだ炭酸ガスが失われることなく残っています。また、お酒が生きたまま瓶詰めされるので、瓶のなかでも発酵が進み、炭酸ガスを生み出し続けます。
生酒は、成分や味が変化しやすいため、要冷蔵です。
炭酸により栓が飛ぶこともあるので、開栓時にも注意が必要です。
開栓後は劣化も早まるため、できるだけ早めに飲み切ることをおすすめします。
※参考
まとめ・復習
- 生酒とは、火入れを行っていない日本酒のこと。
- 搾りたてのフレッシュな味わい
- しゅわしゅわとしたガス感も楽しむことができる