お酒の解説 特別純米酒とは? 2023/07/28
日本酒には種類や専門用語が多く「自分にあった日本酒をどのように選んだらいいかわからない」という悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では「特別純米酒」の定義や味わいの特徴についてご紹介します。
特別純米酒とは?
日本酒の種類:「特定名称酒」と「普通酒」
日本酒はまず、一定の要件を満たした「特定名称酒」と、それ以外の「普通酒」に分けられます。
「特定名称酒」はさらに原料や製造方法によって、純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒・大吟醸酒・吟醸酒・特別本醸造酒・本醸造酒の8種類に分類されます。
純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒は、米・米麹・水のみを原料とした「純米系」、
大吟醸酒・吟醸酒・特別本醸造酒・本醸造酒は、原料に醸造アルコールが加わった「本醸造系」です。
特定名称酒の要件
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|
純米大吟醸酒 | 米、米こうじ | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
純米吟醸酒 | 米、米こうじ | 60%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
特別純米酒 | 米、米こうじ | 60%以下又は特別な製造方法 | 香味、色沢が特に良好 |
純米酒 | 米、米こうじ | ー | 香味、色沢が良好 |
大吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 60%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
特別本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 60%以下又は特別な製造方法 | 香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 70%以下 | 香味、色沢が良好 |
なお、特定名称酒共通の基準として、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合)は15%以上であることが定められています。
「特別純米酒」は特定名称酒のひとつ
特定名称酒のうち、以下の要件を満たしたものが「特別純米酒」を名乗ることができます。
- 原料が米・米麹・水のみ
- 精米歩合が60%以下 または 特別な製造方法
- 香味、色沢が特に良好
特別純米酒は、「精米歩合60%以下」または「特別な製造方法」のいずれかの要件を満たしていれば、名乗ることができます。
ここでいう「特別な製造方法」には明確な規定は定められておらず、各酒蔵に委ねられています。この場合、ラベルのどこかに特別であることを表示することが求められていますが、はっきりとした理由は公開されていないことがほとんどです。
「特別な製造方法」の例としては、「特殊なお米を使用」「低温製法や木槽搾りなどの特殊な製造方法」「長期熟成発酵」などがあるようです。
特別純米酒の特徴
特別純米酒の味わい
特別純米酒は、他の純米系の日本酒と同じく米・米麹・水のみで造られているため、米の旨みが濃くあらわれているものが多くあります。
基本的にはお米を60%以下まで削って造られた銘柄が多く、きれいな飲み口のものが多い傾向にありますが、精米歩合60%以上で特別な製造方法で造られた銘柄もあり、バリエーションが広いのが特徴です。
日本酒上級者の方々は、「何が特別なのか」に着目して、同一の酒蔵の他の銘柄と比較したりしながらラベルから酒蔵のこだわりポイントを推察してみても面白いと思います。
- 米の旨味が強い濃醇なものが多い
- 原料や製造方法など、蔵ごとの「特別さ」を楽しめる
まとめ
特別純米酒は、基準要件が広くバラエティに富んだお酒です。
sakazuky STORE では、様々なタイプの特別純米酒をご紹介していきたいと思っています。