お酒の解説 特別本醸造酒とは? 2023/07/21
日本酒には種類や専門用語が多く「自分にあった日本酒をどのように選んだらいいかわからない」という悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では「特別本醸造酒」の定義や味わいの特徴についてご紹介します。
特別本醸造酒とは?
日本酒の種類:「特定名称酒」と「普通酒」
日本酒はまず、一定の要件を満たした「特定名称酒」と、それ以外の「普通酒」に分けられます。
「特定名称酒」はさらに原料や製造方法によって、純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒・大吟醸酒・吟醸酒・特別本醸造酒・本醸造酒の8種類に分類されます。
純米大吟醸酒・純米吟醸酒・特別純米酒・純米酒は、米・米麹・水のみを原料とした「純米系」、
大吟醸酒・吟醸酒・特別本醸造酒・本醸造酒は、原料に醸造アルコールが加わった「本醸造系」です。
特定名称酒の要件
特定名称 | 使用原料 | 精米歩合 | 香味等の要件 |
---|---|---|---|
純米大吟醸酒 | 米、米こうじ | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
純米吟醸酒 | 米、米こうじ | 60%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
特別純米酒 | 米、米こうじ | 60%以下又は特別な製造方法 | 香味、色沢が特に良好 |
純米酒 | 米、米こうじ | ー | 香味、色沢が良好 |
大吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 50%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好 |
吟醸酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 60%以下 | 吟醸造り、固有の香味、色沢が良好 |
特別本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 60%以下又は特別な製造方法 | 香味、色沢が特に良好 |
本醸造酒 | 米、米こうじ、 醸造アルコール | 70%以下 | 香味、色沢が良好 |
なお、特定名称酒共通の基準として、こうじ米の使用割合(白米の重量に対するこうじ米の重量の割合)は15%以上であることが定められています。
「特別本醸造酒」は特定名称酒のひとつ
特定名称酒のうち、以下の要件を満たしたものが「特別本醸造酒」を名乗ることができます。
- 原料が米・米麹・水と醸造アルコール
- 精米歩合60%以下 または 特別な製造方法
- 香味、色沢が特に良好
特別本醸造酒は、「精米歩合60%以下」または「特別な製造方法」のいずれかの要件を満たしていれば、名乗ることができます。
特別純米酒と同じく、「特別な製造方法」には明確な規定はなく、例として「特殊なお米を使用」「低温製法や木槽搾りなどの特殊な製造方法」「長期熟成発酵」などが認められているようです。
特別本醸造酒の特徴
特別本醸造酒の味わい
特別本醸造酒は、本醸造酒と同じく、醸造アルコールが添加されていることから、スッキリとした淡麗な味わいのものが多くあります。
基本的にはお米を60%以下まで削って造られた銘柄が多いですが、精米歩合60%以上で特別な製造方法で造られた銘柄もあり、各酒蔵のこだわりが表れたさまざまなタイプのものがあります。
- 淡麗・辛口のスッキリとした味わい
- 香りは穏やかで控えめ
- 原料や製造方法など、蔵ごとの「特別さ」を楽しめる
まとめ
特別本醸造酒は、基準要件が広いため、銘柄ごとに味わいも豊かで面白いお酒です。
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