お酒の解説 速醸造り(そくじょうづくり) 2023/08/21

速醸造り

日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!

速醸造りとは?

速醸造りとは、日本酒のもととなる酒母(しゅぼ)を造る手法のひとつで、人工的に精製した乳酸を添加して酵母菌を増やす方法です。

乳酸菌が糖を分解することによって作られる「乳酸」は強い酸性の物質で、有害な雑菌の繁殖を抑え、酵母菌だけを培養するのに役立ちます。

速醸造りの歴史

従来の伝統的な手法(生酛系)では、天然の乳酸菌を取り込み、乳酸を増やす方法が採られていました。

しかしこの手法には高度な管理技術が必要で、乳酸が増殖するのを待つ間に有害な雑菌が繁殖し、もろみが腐ってしまうことも多々あり、各蔵の悩みの種となっていました。

そこで1910年、醸造試験所(現 独立行政法人酒類総合研究所)の江田鎌治郎によって、乳酸菌を用いずに直接乳酸を投入する、速醸造りの手法が開発されました。

この方法では、乳酸の投入により早い段階で酒母の酸性度を高めることができるため、雑菌の繁殖を抑えながら安全かつスピーディに酵母菌を増殖させることが可能になりました。

従来は1ヶ月程度かかっていたところ、速醸造りでは、約2週間という短期間で安全かつ効率的に酒母を仕上げることができるようになったのです。

速醸造りは現在の主流

生酛や山廃などと比べ、速醸という用語を聞いたり見たりする機会はあまりないかもしれません。

ですが、速醸造りは最も一般的な造りで、現在造られている日本酒の約90%が速醸造りと言われています。

最も主流な造りのため、ラベルなどにはわざわざ記載されていない手法ですが、メジャーな手法なので知っておいて損はないでしょう。

まとめ・復習

  • 速醸造りとは、人工的に精製した乳酸を添加する酒母造りの手法
  • 短期間で効率的・安全に酒母を造ることができる
  • 現在の最も主流な方法

酒母造りの工程やその他の手法について知りたい方は、ぜひこちらもご参考にしてくださいね。

日本酒の製造工程を学ぼう – ⑤酒母造り