お酒の解説 おりがらみ 2023/10/18
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
おりがらみとは?
おりがらみとは、滓引き(おりびき)をしていない日本酒のこと。
滓(おり・澱)を含むため、うっすらとにごっており「かすみ酒」とも呼ばれます。
おりがらみの製法
おりがらみの製法の前に、まずは一般的な日本酒(澄酒)の製造工程を確認しましょう。
搾りの工程でもろみを酒粕とお酒に分離しますが、搾りを行ったままのお酒には、滓(おり・澱)と呼ばれる、微細な米や麹・酵母などの固形物が混ざっています。
一般的なお酒を造る際には、この滓を取り除くために、搾り終えた日本酒をそのまま数日間しばらく寝かせることで、タンクの底に滓を沈殿させます。そしてタンクの上方の取り出し口から上澄み部分だけを取り出します。
この工程を、滓引き(おりびき)・滓下げ(おりさげ)といい、この作業を行うことで、滓を含まないクリアなお酒ができます。
おりがらみの場合には、滓引き(おりびき)の工程をあえて省略することで滓を残し、うすくにごった状態で出荷します。
おりがらみとにごり酒
おりがらみもにごり酒も、どちらもにごったお酒です。
しかし、にごり酒は、上述したおりがらみの造り方とは少し異なります。
おりがらみは、通常の日本酒と同様に細かな目の布で搾るのに対して、にごり酒の場合には、搾りの工程で粗い目の布やザルを使用します。
おりがらみは、ちょうど澄酒とにごり酒の中間くらいのにごり具合。
澄酒のさっぱり感とお米の甘みや旨味が味わえるお酒です。
まとめ・復習
- おりがらみとは、滓引き(おりびき)をしていない日本酒のこと。
- 同じにごったお酒でも、にごり酒やどぶろくとは製法が異なる。
- 澄酒のさっぱり感とにごり酒の甘みや旨味を両取りできる味わい。