お酒の解説 生貯蔵酒 2023/10/21
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
生貯蔵酒 とは?
生貯蔵酒 (なまちょぞうしゅ)とは、出荷前に1度のみ火入れをしたお酒のこと。
1度目の火入れをせずに生のまま貯蔵してから、出荷前のみ火入れをするため「生貯蔵酒」と呼びます。
火入れとは?
ここで一度、火入れについておさらいしておきましょう。
一般的な日本酒は、火入れという加熱処理を「貯蔵前」と「出荷前」の2回のタイミングで実施しています。
火入れには、発酵を止めてお酒の味が変化するのを防ぐとともに殺菌の意味があり、出荷されわれわれが飲むそのときまでお酒の美味しさを保つための重要な工程です。
しかし、火入れや冷蔵技術の進歩や設備の充実などにより、生貯蔵酒などの「生」とつくお酒も流通が増えているのです。
※参考
火入れ有無・タイミングによる名称の違い
日本酒は、火入れの回数やタイミングによって呼び方が異なります。
よく間違われやすい用語もあわせてご紹介します。
- 生酒(なまざけ):1度も火入れをしていないお酒
- 生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ):出荷前に1度のみ火入れをしたお酒
- 生詰め酒(なまづめしゅ):貯蔵前に1度のみ火入れをしたお酒
図にすると以下のようになります。
生貯蔵酒 の味わい
生貯蔵酒は、1度目の火入れを行わずに生のまま貯蔵するため、貯蔵期間中にも発酵が進みます。そのため生のフレッシュさと、まろやかさ・ゆたかな旨味を感じられる味わいです。
生貯蔵酒は出荷前に火入れをしているため、まったく火入れをしていない生酒に比べれば劣化しにくいお酒ですが、できるだけ冷蔵保存することをおすすめします。
まとめ・復習
- 生貯蔵酒とは、火入れを1回、出荷前に行った日本酒のこと。
- 火入れが1回のみなので、通常のお酒と比較してフレッシュな風味を楽しむことができる。