お酒の解説 無濾過 2023/10/19
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
無濾過 とは?
無濾過とは、濾過をしていないお酒のこと。
搾ったそのままの味わいが楽しめるとして、昨今人気が高まっています。
ただし後述しますが、無濾過として販売されている日本酒のなかには、完全に濾過をしていないわけではないものもあります。
濾過の工程・意義
まずは濾過の工程について簡単に見てみましょう。
濾過とは、日本酒に含まれる小さな固形物を取り除くことです。
一般的な日本酒では、搾りを終えたあと、濾過の工程を経ます。
搾りを終えた直後の日本酒には、「滓(おり・澱)」と呼ばれる微細な米や麹・酵母などの固形物が含まれている状態です。
雑味を取り除くため、味の劣化を防ぐため、無色透明なお酒に近づけるために、お酒をフィルターに通すことで固形物を取り除く工程が濾過です。
濾過にもさまざまな手法がありますが、大きく分けると2つの方法があります。
- フィルター濾過(素濾過)
- 活性炭濾過(炭濾過)
※参考
無濾過の定義
さて、冒頭で「無濾過と言っても、完全に濾過をしていないわけではないものもある」と記載しましたが、どういうことなのか解説していきます。
一般的に無濾過と言われるお酒は「活性炭濾過」をしていない日本酒です。
つまり、フィルター濾過のみを行ったお酒も、無濾過扱いとされているのです。
この考え方は酒蔵によって異なり、厳密な定義はありません。
そのため、全く濾過をしていない無濾過の日本酒もありますが、一般的には活性炭を使って濾過をしたかどうかがポイントとされているようです。
無濾過のお酒の味わい
活性炭濾過は、活性炭が余分な色や香りを吸着することで、クリアな味わいのお酒になりますが、少なからず、お酒の搾りたての風味まで取り除かれてしまいます。
無濾過のお酒は、活性炭濾過をおこなっていないため、より搾りたてに近い、できたてそのままの濃厚な味わいを楽しむことができるのです。
まとめ・復習
- 無濾過とは、一般的に活性炭濾過をしていない日本酒のこと。
- 搾りたてに近い、お酒本来の濃厚な風味を味わうことができる。