お酒の解説 槽搾り 2023/10/03
日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!
槽搾りとは?
槽搾りとは、槽(ふね)という器具を使ってもろみとお酒を分離する、搾りの手法のひとつで、昔から伝わる伝統的な手法です。
槽とは舟に似た形の道具で、搾りの工程自体を指す上槽(じょうそう)のことばの由来ともなっています。
イエズス会の宣教師たちによって編纂され、江戸時代初頭に発行された『日葡辞書』には、すでに「酒槽」という用語が記されていたといいます。
搾り方と特徴
槽搾りでは、まずもろみを酒袋といわれる布でできた袋に詰めます。
その袋を槽のなかに並べ積み重ねて敷き詰めます。はじめは重みで、自然にお酒が滲み出てきます。
しばらくすると、蓋をして上から圧をかけて搾ります。
槽搾りは、静かに優しく圧をかけていくため時間がかかる一方で、雑味が出にくく、大吟醸などの繊細なお酒を造る際に向いている搾り方と言われています。
酒槽は昔は木製でできていましたが、今ではコンクリート製やステンレス製のものもあります。
木製のものを使って造られた日本酒では、ラベルに「木槽しぼり」と記載されているものを見かけることもありますね。
ヤブタ式で絞った酒粕が、硬めのテクスチャーとなるのに対し、槽搾りや袋吊りでできる酒粕は柔らかく、酒の成分が多く含まれる、しっとりとしたペースト状の酒粕となります。
まとめ・復習
- 槽搾りとは、槽を使った伝統的な搾りの手法
- 時間がかかるが、優しい圧で搾るため雑味が出にくい
- 搾られて残った粕は柔らかくしっとりした酒粕となる
搾りの工程やその他の手法について知りたい方は、ぜひこちらもご参考にしてくださいね。