お酒の解説 日本酒の製造工程を学ぼう – ⑪調合 2023/07/06

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本シリーズでは、日本酒の製造工程ひとつひとつに焦点を当ててご紹介をしていきます。

貯蔵・熟成を終えたら、味わいの最終調整に移ります。

本記事では「調合」について詳しく解説します。

調合とは?

調合とは、常に安定した品質の日本酒を供給するために、ブレンドや加水を行うことで、日本酒の香り・味わい・色・透明度などを調整する作業です。

製品としての最終的な味わいを決定づける重要な工程となります。

調合の流れ

1. 調合

調合とは、各タンクで造られた日本酒を混ぜてブレンドすることです。

同じ原料、配合、造り方をしても、生成される日本酒はタンクごとに微妙に味わいが異なります。

タンクの設置場所による温度差などによって、微妙に発酵具合に差が出るためです。

タンクごとにバラつきのある日本酒を配合・ブレンドすることにより、製品として香味や色を調整し、製品の均一化を図ります。

2. 割水(加水)

割水とは、調合を終えた「原酒」に水を加え、アルコール度数を調整することです。

水を加えていない状態の「原酒」はアルコール度数が20度程度と高い状態のため、仕込み水を加えることで、飲みやすく理想の味わいになるよう、アルコール度数を調整します。

一般的に流通している日本酒は、アルコール度数15度前後のものが多いですが、最近ではアルコール度数13度以下の低アルコール日本酒も人気が出てきています。

なお、酒税法で、日本酒(清酒)は「アルコール度数が22度未満のもの」と定められています。

同じ原料や製造方法で造られていても、アルコール度数が22度以上のものは「雑酒」や「リキュール」に分類されます。

造り手は、各段階で「利き酒」を行い、五感全てを使って、日本酒の色味や透明度、香り、味、余韻などを確かめながら、製品として仕上げていきます。

まとめ

本記事では、「調合」について詳しくご紹介しました。

消費者に安定した品質の日本酒を届けるための、点睛の筆と言える工程でした。

次回は最終工程の「瓶詰」についてご紹介いたします。