お酒の解説 日本酒の製造工程を学ぼう – ⑧濾過 2023/07/04

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本シリーズでは、日本酒の製造工程ひとつひとつに焦点を当ててご紹介をしていきます。

搾りの段階で日本酒の原型ができあがりました。ここからは仕上げの工程に入っていきます。

本記事では「濾過」について詳しく解説します。

濾過とは?

濾過とは、日本酒に含まれる小さな固形物を取り除くことです。

搾りを終えた後の日本酒には、「滓(おり・澱)」と呼ばれる、微細な米や麹・酵母などの固形物が混ざっています。

このままの状態では、滓に残っている酵母や酵素が発酵を続けたり、酵母が死滅したりすることで、味や香りが変化しやすいため、濾過をすることで、味の劣化を防ぐとともにクリアな色の澄んだ日本酒に仕上げていきます。

濾過の流れ

1. 滓引き

絞りの後、日本酒をそのまま数日間しばらく寝かせることでタンクの底に滓を沈殿させ、タンクの上方の取り出し口から上澄み部分だけを取り出す作業です。

滓引きを行わず「滓」を含んだ状態で出荷する日本酒を「おりがらみ」と呼んだりします。

2. 濾過

フィルター濾過

布や紙などでできたフィルターにお酒を通すことで、より微細な固形物を取り除く手法です。

活性炭濾過

お酒に活性炭を混ぜることで、余分な色や香りを吸着させて取り除く手法です。

活性炭を多く入れ過ぎてしまうと、お酒の香味が取り除かれすぎて薄っぺらい味となったり、お酒に炭自体の香りがついたりしてしまうため、造り手は活性炭の種類や量を厳密に計算し調整します。

通常「無濾過」と言われる日本酒は、活性炭濾過を行わず、フィルターのみで濾過したものを指します。

滓引き・濾過の手法や回数、行うタイミングは酒蔵や商品によって様々で、通常、いくつかの手法を用いて、瓶詰めまでの間に繰り返し行われます。

まとめ

本記事では、「濾過」について詳しくご紹介しました。

日本酒の味や香りだけでなく、見た目にもこだわって造られていることが感じられる工程でした。

次回は「火入れ」についてご紹介いたします。