お酒の解説 袋吊り 2023/10/10

袋吊り

日本酒にまつわる用語をとりあげてご紹介していきます。日本酒に興味のある方、資格取得などに向けて勉強されている方の知識習得にもお役立ていただけるよう、できるだけ専門用語をつかわずカンタンな内容で解説していきたいと思います。みなさんも一緒に学んでいきましょう!

袋吊り(ふくろづり)とは?

袋吊りとは、もろみの入った酒袋を吊るし、重力によってお酒と酒粕を分離する搾りの手法です。

雫しぼり、雫取りとも言います。

袋吊りの様子
袋吊りの様子(写真提供:渡辺酒造店)

搾り方と特徴

袋吊りでは、もろみを酒袋といわれる布でできた袋に詰め、タンクの上に吊るします。

重みで自然とお酒が垂れてくるのを待ちます。

さらに、垂れてくるお酒を斗瓶(とびん)と言われる容器で集める手法を斗瓶取りといいます。

タンクよりも小さい容器で取ることで、お酒が空気に触れにくくし、酸化を防ぐことができます。

袋吊りは他の方法と異なり圧力をかけず、重力で自然とお酒が垂れてくるのを待つため、大変長い時間がかかります。また完全に搾り切ることができず、少量のお酒しか取れません。

一方で、圧をかけないため雑味がなくクリアな風味に仕上がります。

品質は確かながら手間と時間がかかるため、主に鑑評会出品用の日本酒や、高級酒を造る際に用いられます。

袋吊りでできる酒粕はお酒の成分をたっぷり含み、柔らかくしっとりとしたペースト状。そのまま食べられるほどの美味しい酒粕がとれます。

まとめ・復習

  • 袋吊りとは、外圧をかけず、重力によって自然と滴るお酒を集める搾りの手法
  • 雑味が出にくく、鑑評会や高級酒向きの方法
  • 手間と時間がかかり少量しかとれないため高価となる

搾りの工程やその他の手法について知りたい方は、ぜひこちらもご参考にしてくださいね。

日本酒の製造工程を学ぼう – ⑦搾り